いまだに大人気で納車は遅れているというスイフトスポーツ。
この度試乗する機会に恵まれたので、体験と口コミを交えて評価していきます。
辛口とは言うものの、いい点は褒めて、悪い点はしっかり言うというスタンスで。
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基本性能の評価
引用元:http://www.suzuki.co.jp/car/swiftsport/
スポーツモデルとしては燃費はいい方。
本物のスポーツカーは10km/Lを切ることなんてよくありますが、平均して13km/Lほどでけっこういいですね。
基本的な性能に文句はないですね。
コーナリングも良し。
もし燃費を重視するなら、厳しい数値かもしれませんが。
見た目はちょっと人を選ぶ感じもします。
でも決してかっこ悪くはありません。
最初から2本出しマフラーを採用しているのは非常に高ポイントですね。
ただ、いかにも排気音にこだわったみたいなことを公式で言っていますが、そんなでもない気がします。
好みの問題でしょうか。
そして何よりもトルクがヤバい。
230N・m<23.4kg・m>/2,500-3,500rpm!
コンパクトカーなのか、これ…。
…と辛口といいつつ褒めまくりですが、これだけのパワーを詰め込んだのですから、どうしても出てくるアラというものもあります。
スイフトスポーツ低コスト化のメリットデメリット
引用元:http://www.suzuki.co.jp/car/swiftsport/interior/
メリットは言わずもがな、手を出しやすいということ。
200万円以下で買えるコンパクトカー。
しかもマフラー2本出し(2回目)!
この価格ならだれでも買うと思います。
そしてこの価格で専用シートの採用は強い。
スズキ以外では見られないのではないでしょうか。
左右の返しがとにかく大きくて、急カーブで体が傾いてもしっかり拾ってくれます。
しかし、車体全体からは、コスト削減の香りは消せませんね…。
それは仕方ないことなのですが、後部にもルームランプが欲しいところです。
室内には一つしかルームランプがなくて夜間の後部が辛いところです。
しかしコスト削減するポイントとしては適格な場所かもしれません。
あとはアイドリングストップがないのもコスト削減ポイントでしょうか。
そもそもスポーティなモデルにはナンセンスなものかもしれませんから、最初からつける気はないのかもしれません。
このあたりは安くした代償としか言いようがないと思います。
安さのメリットとデメリットが両立しています。
ボディやドアは薄っぽい印象を受けますが、これはコスト削減とは少し違います。
スズキの新技術のハーテクトによる高剛性で軽量なプラットフォームのおかげかと。
結果的に材料減らせて、基準も超えられて一石二鳥というところでしょうか。
他にはタイヤの溝に入った小石や巻き上げた砂がかんかんとタイヤハウス内にぶつかる音は、安さを感じてしまいます。
軽自動車のN-BOX(2013年モデル)でもこういうことはなかったので、軽量化とコスト削減の副作用と言えるでしょう。
昔乗っていたスバルのヴィヴィオビストロがちょうどこんな感じでした。
さすがに90年代半ばの軽自動車を思い出させるのはどうか…とも思いますが、そこが懐かしい感じがしてノスタルジーにふける…なんて楽しみもあるのかなあ…。
乗り心地は人を選ぶ
正直、最近の車に乗り慣れている人にとっては、硬さばかりが目立つ車でしょう。
「スポーツ」の名はダテではなくて、その硬さにもスポーツ感が出ています。
ロードノイズも大きいと感じます。
よく「要家族会議」みたいな口コミを見かけますが、ほんとに家族に相談した方がいいレベルです。
奥さんに、「なんでこの車にしたん…?」とか言われないように…。
その乗り心地の硬さも、懐かしさを感じるというものなのですが、分からない人にはわからない…。
最近は奥さんカーが普通の時代ですし、子供が巣立ったミドル以降の世代が、普段使いに楽しみを見出すためのモデル…と考えればコスパもいいですし、車世代的には心に刺さる乗り心地なのは確かでしょう。
この硬い乗り心地はあえて調整したという話ですが、ブレーキに関してはほめられません。
たしかにトルクは太いので、制動力は強いに越したことはないのですが、カックンと行きがちなブレーキ。
車体を軽量化しているのだから、もう少しなめらかな調整がされてもいいのでは…と思います。
初期制動力くらい調整で落とせると思います。
このブレーキでは、見えを張ってトルクを引き上げたように思われてもしかたない。
N-BOXでは氷の上でブレーキを踏んでしまって死にかけた私には不安で仕方ない。
あとどうしても許しがたいのが、アクセルの位置です。
どう考えても中央に寄り過ぎています。
どう考えてもホイールのせいです。
どうしてそうなった。
私が試乗したのはATでしたが、イマドキMTの設定をしているのは「わかっている」人々の仕事な気がして好感が持てました。
パドルシフトが装備されており、変速はさながらMT操作のようで、これはいいと感じます。
3ナンバーSUVであるC-HRのガソリンモデルには、ATながらマニュアルモードがついていたので、スイフトスポーツのATにも搭載されたら面白いのでは…と思ったり。
全然車種が違うのでどうなるかはわかりませんが…。
とりあえず、今後CVTにだけはしてほしくない、と思います。
ATで行ってくれ!
その他スイフトスポーツの残念な点の評価
実際のオーナーが気になっているというポイントをまとめてみました。
試乗ではわからないポイントも指摘されているので、購入を検討しているなら参考になると思います。
まず霜取りのパワーは弱いみたいです。
冬場とか、ちょっと時間がかかるとか。
なかなか微妙な点ですが。
本当のスポーツカーに乗ったことのある人にとっては、座席の高さとか、乗り心地とかはスポーツ感が薄いとの声も。
私、ほんとのスポーツカー経験がないので、これでも硬く感じるのですが、ホンモノと比較すると柔らかいらしい…。
本格的なスポーツモデルに手を出しにくいけど興味ある人向けですかね。
ロードスターとか結構高いですからね。
目立つし。
年齢を考えて、スポーツカーは卒業する人もいると思います。
それから乗り換えるにはもってこいの性能かもしれません。
スズキセーフティサポートも不安視する人がいるようです。
なにもないところで衝突の危険を知らせてきたりなど、謎の挙動を見せたことがある、というオーナーもいます。
全方位カメラですが、あまり使い勝手がよくないとの声も。
コスト削減の影響か、スピーカーも品質は悪いようです。
走りを重視しているため、スピーカーの質を求めるのはお門違いかもしれませんが、いい音で音楽を聴きながら駆け抜けたいという人もこのモデルには多いはず。
上級グレードの設定が期待されます。
あとはメーターも人を選ぶかもしれません。
インテリアは価格から見るとかなりかっこよく仕上げていてデザインに不満はないのですが、無駄に高速域まで刻むメーターは正直慣れませんでした。
試乗程度では仕方ないかもしれませんが、通常90km/hの位置が180km/hですからね。
リミッターは何キロなんでしょうか。
ほんとにMAX260km/hとか出るのかな…。
こういうところが走る気持ちを高めてくれるのは確かなのでしょうけれど。
スイフトスポーツは気にいらないところをカスタムして楽しむモデル
いろいろ酷なことを書きましたが、正直この価格でここまでやれるのはすごいと思います。
よそじゃイマドキやらないでしょう。
ハスラーなんかもそうですが、スズキには小さな車に大きな未来を抱えすぎて無理はしないでほしいです。
スイフトスポーツはけっこう歴史があるので、パーツも充実していますし、不満な部分は自分でいじるべきモデルと言えます。
例えばルームランプは社外品が多数存在するので、LEDに変えてしまうとか、ペダルの位置もパーツで調整できるのでやってみるとか。
スピーカーもプロにかえてもらうといいかもしれない。
燃費と乗り心地の硬さが気にならなければかなりいいモデルと思います。
惜しむべきは人気すぎて納車がおそいことでしょうか…。
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